今のお店で働き始めた1年目のころ…

私はとにかくとにかく


その上司が苦手だった。



新人の私は、
何をしても怒られて

あれがだめだこれがだめだと
否定しかされなくて

毎日理不尽なお説教ばかり。


なんでこんなことまで!って思う雑用とか、
面倒極まりない業務は
すべて押しつけられたし

バイトへの指示として言いにくいことは
すべて代わりに言わされ


周りとの対応にも心すり減らしつつ……


任されすぎて片付かない仕事の山に
泣きそうになりながら残業して

それにタイムカードを忠実に切れば
「もっと効率的に仕事しろ」と叱られ

結局、タイムカード切って帰ったフリして
こっそり戻って残業……


万引きされたら、気付けなかった私のせいになるから、
常にびくびくしながらお店にいて
営業中に仕事なんかまともにできない。

それでも商品がなくなれば、
万引き犯を心の底から恨みながら
上司へ渾身の謝罪。



そうやって、

徹底的に下っ端をやった日々。


絶対私いなきゃこの店まわんないだろ
って悔しくなりながら
全部責任もってやった日々。 


それでも、いつも先輩と比べられて
何しても怒られない先輩ばかり誉められて

もうこんなのやだって
帰って泣いた日々。 






あのころ……


本気で「縁を切る方法」を
検索してた。

藁人形とかはやらないけど。苦笑


とにかく、とにかく
その上司から離れたくて。

一日も会いたくなくて。


ただ、傷付ける気はなかったから、
円満に別れたい一心で

実行できることは
まさに藁にもすがる思いでやってた。


出勤するの、辛かったな。

一日も休んだことなかったけど。

休むことさえ、怖かったような。






そんな上司をね、
私は「アナと雪の女王」のエルサ

と、思うようにしてたの。

当時、ブログで書いたから覚えてるんだけど。



物語中盤の、気が狂ったエルサ。

大事な妹のアナに
死にそうな思いさせて凍らせちゃうエルサ。 



それでもね、
アナはエルサと向き合おうとする。

だって、ほんとのエルサは好きだから。
悪い奴なんかじゃないってわかってるから。



私は、その上司から
酷い言葉を投げつけられるたびに

私はアナだって思い込んだ。

エルサに氷を思いっきり投げつけられて、
ハートにそれが刺さって心が凍りそうでも

それでも


あの人は、エルサなんだって。

本当は仲良くなれるはずのお姉ちゃんなんだって

思い込んで。 








………あれから2年たった
3年目の今、

私はそのエルサ上司が、

きらいじゃない。


もう、好きと言えます。心から。



まだまだ困ることはあるけれど、
すべて
「そういうとこあるけど」で
受け止められる。


だってね、

エルサが、「ごめんね」と「ありがとう」を

私にものすごく言ってくれる人に
なったから。


だから、大体のことは
困っても許せる。



あの地獄の1年目を終えたら、

まずアナの私が変わったんだと思う。 

仕事が一通りはこなせる人間に。
上司や周りへの気遣いができる人間に。


あれこれ任されたからこそ、自力で学んだし、
注意ばっかりされたからこそ、
何をしておかないとまずいのか覚えた。
何度も氷に心折れそうになりながら。

エルサ上司が、
何をしておいてほしいのか。
どう動いてほしいのか。
どんな言葉をかけてほしいのか。

……まるで秘書にでもなったつもりで
ただただサポートに徹した。



そしたら、エルサが
いつのまにやら、
アナに心開いてくれるようになってた。

信頼が生まれたから。 



2年目は、先輩が異動でいなくなって、
私はポジションが上がり、
下に後輩が入って。。

今度はその後輩がアナ役に。。。。


その分、私は
比べて褒められる側に。 


………アナの心境がわかりすぎる私は、
なんとかそこをカバーしようと
これでもか!ってくらい
エルサ上司とアナ後輩のフォローに徹した。

結局、またこっそり残業して。



その後、エルサは大きい病気で
急遽入院することになり……

二人のアナで
お店をまわした疲労困憊の約2ヶ月。


帰ってきたら、エルサは少し
変わってた。


私と後輩の存在を、
ちゃんと「ありがたい」って
認めてくれていて。

むしろ「この二人がいてこそ」に
変わってた。




そうやって、3年目の今、

私たちは、
きっと他のどのお店よりも

相性抜群だと思う。


てんでバラバラの性格なんだけど、
それがすべて
絶妙に噛み合って

補い合えているような。


3人でいることが楽しくて、
一緒に仕事するなら
この二人がいいってお互い思えるような。



最近、本社の人たちからも
「ここの空気が好き」と
言われるようになって

改めて変化を感じる。この3年間の。 




あれが3時間の映画だったとするなら、

今はもう
2時間50分くらい。


エルサの雪は、もう溶けてる。
ずいぶん前から。


エルサ上司はもう少しで
このお店からいなくなる。




それが決まったとき、
私も「じゃあ」って思い立ったの。
そのあと私もここを去ろうって。

もう、思い残すことはないから。
エルサの雪がとけて、
みんな心から笑えるようになった。

私はまだ
どこか他でも必要としてもらえる年齢のうちに
転職したいから。 






エルサの雪をとかせたのは、なぜ?


………それは、

アナが
エルサを変えようとしたんじゃなくて、

アナが成長したからです。


アナが素敵な仲間に出会えたのは、なぜ?

それはアナが
素敵な女の子だったからです。



……そのこと、忘れないでおこうって思う。

この先、また新しい職場を見つけられたときに
同じ1年目をくりかえすのは
正直勘弁だけど。。。。

ほんともうあんな日々いやだけど。。



アナになりきって学べたことは
絶対この先も私の糧になるでしょう。




映画はやっぱりハッピーエンドがいい。


大好きよ、エルサ。